ぼくらの時代

新しい若者文化を創造したウォークマン

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ウォークマン

【引用:SONYサイトより】

疑問さん

1979年に初代ウォークマンが発売された時はどんな様子でしたか?

なぜ大ヒットしたのかな?

Hiroaki

こんなお悩みの方にお答えします。

大学時代に初代ウォークマンを買って、音楽を楽しんでいただけでなく、

卒論のテーマにウォークマンを題材にしたマーケティング論を書いたHiroakiが解説しますね。

 

「ウォークマン」誕生

音楽を聴くスタイルに革命を起こした初代ウォークマンは、ソニー創業者から社員へのちょっとした依頼からだった。

誕生のきっかけ

ソニー創業者の井深は"海外出張の飛行機内でステレオ音楽を聴きたい"と思い、モノラルテープレコーダーをステレオに改造したものを作ってもらった。

その改造機を試したもうひとりの創業者の盛田は「これはおもしろい!一日中音楽を楽しんでいたい若者の願いを満たすものだ」と独特のビジネス勘が働き、出来るだけ早く商品化することを指示また再生機能だけでいくことを決断した。

【引用:SONYサイトより】

「再生機能のみ」の決断

商品化を進めるものの「テープレコーダー(録音機)は売れるが、テーププレーヤー(再生専用機)は売れない」と社内では否定的・悲観的な意見がほとんどであった。

しかし盛田氏はその反対を押し切り、1979年7月1日、初代ウォークマンの発売を断行する。

当時の開発担当者は上司や周りからも悲観的な売れないだろうという言葉ばかり言われていた。

それを救ってくれたのが盛田氏で、売れなかったら責任は自分が取ると言ってくれた。

 

ヒットの要因

ところが発売当初はまったく売れない。グループ販社も系列専門店のソニーショップも「こんな半端物」と見向きもしなかったとか。

それが、マーケティング活動がじわじわと効いてきて大ヒット商品となっていた。

価格設定

初代ウォークマンの価格は3万3000円。原価から逆算すると4万8000円でなければ採算に合わなかったが、盛田氏が「売れる値付け」として判断。

ウォークマンは市場に前例がない製品。値段ひとつとっても手本がない。そんな製品の値頃感をどう考えるか。

価格次第では「いい製品だけど高い」と言って買ってもらえなかった。

赤字で始まったウォークマンが発売後1年ほどで儲かるようになったのも、盛田氏の売れる値付けの成果です。

【引用:東洋経済サイトより】

発売日

1979年2月、盛田氏から開発担当者へ「大学の夏休み前に発売しよう」と言われ、わずか4カ月で開発された。

やはり、当時の音楽文化や流行商品をいち早く取り入れていた大学生をターゲットしていたようです。

 

雑誌社への発表会

雑誌向けの発表会についてはまず銀座・ソニービルに集まった記者をバスで代々木公園へ運んだあと、記者全員にウォークマンを配り、記者がそのヘッドホンを装着して再生ボタンを押すと、音楽とともに商品説明がヘッドフォンから流れると同時に記者の目の前にウォークマンを装着した若者が登場し、二人乗り自転車に乗ったり、ジョギングやエアロビクスをするといった、若者がどのようにして音楽を楽しむのかデモンストレーションを行った。

この雑誌向けの製品発表の結果、さまざまな雑誌に大きな反応が起きた。

多くの雑誌が、ウォークマンをただの新製品として紹介するだけでなく、「ウォークマンは新しい若者のライフスタイルの象徴」として誌面で採用し、さまざまな記事の中で小物として使い始めた。

たとえば『月刊明星』は、発売が7月末となる1979年9月号の見開きページで西城秀樹が上半身裸の短パン姿でウォークマンを聴きながらローラースケートをしている写真を掲載した。

その後も続々と各雑誌がウォークマンを取り上げ、8月には各店舗でウォークマンの売り切れが続出し、大ヒットに繋がった。

【引用:ウキペディアより】

当時は新聞社への発表会のみでしたが、盛田氏はターゲットの若者を意識して雑誌社向けにも発表会を仕掛けていた。さすがですね。

 

商品コンセプト

当時のカセットデッキは録音再生の両方できて当然の概念を再生だけに絞った理由は、やはり盛田氏本人しかわからない。

近年に「引き算のマーケティング」の代表格とかも言われています。

ただ、当時の時代は高度成長時代で、既存商品カテゴリーは飽和状態。

商品戦略としては2つ、より付加価値機能を追加して全世代に販売していくか、逆にターゲットを絞り、そのターゲットの最低必要機能のみを特化していくか、だった。そして盛田氏は後者を選択したのでは。というのが当時の私の考えで、卒論の内容でした。

またエアチェックブームだった時代背景も多分に影響していたと思われます。

 

エアチェック

カセットテープ時代

70年代後半よりカセットテープがブームに。当時の2大メーカーは、TDKとマクセル。

当時の若者に影響のある海外の一流アーチストを使って、TVコマーシャルや雑誌広告をかなり投稿していました。

 

FM放送全盛期

当時数年前から全国でFM局が登場して全盛期でした。

洋楽好きの若者は夢中になって、ラジオから流れる音楽をカセットテープに録音していました。

それがエアチェックです。

また当時はどんな曲が流れるかの番組表も人気で、専用のFM誌も数冊発売されており、どれも人気でした。

ちなみに私は「FMレコパル」という雑誌を毎回購入していました。

 

エアチェック

当時はFM局からの洋楽などをカセットテープに録音して、それを家の中で聞いているのが流行りでした。

当然録音したカセットもかなり増えていきました。

私も数を整理しても当時50本ほど常時あったと思います。

なので、家の中にはすでに録音したカセットテープが多く持っていた若者には、再生機能だけのコンパクトな機器が潜在ニーズとしてあると、盛田氏は見えていたのかもしれませんね。

 

まとめ

ソニーの初代ウォークマンは、いつでもどこでもステレオサウンドが楽しめるという新しいライフスタイルをアピールした。

この新たな音楽の楽しみ方はあっという間に若者の心をとらえ、"ウォークマン"はヘッドホンステレオ市場という新たなマーケットを作り出した。

大ヒットしてからは、生産が追いつかず、予約しても数ヶ月待ち状態がしばらく続きました。

私も80年の4月に大阪の日本橋にある音響機器専門店へ予約してから、3ヶ月ほど待った記憶があります。

そして大学やアルバイト先への移動中はウォークマンを持ち歩き、いつも音楽を聞いていました。

そんなウォークマンをヒットさせたのは盛田氏のビジネスセンスとマーケティング力があったからに他ならない。

ぼくらの時代、ウォークマンは衝撃な商品であり、ライフスタイルの憧れの商品でした。

そんな商品をまたソニーさんに作ってほしいファンです。

 

 

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